第17回 『先入観はどこまで正しいか』のつづき
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…昨日の続きです。
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それでは、果たして、“キャリアウーマン”に見えた女性が、本当にキャリアウーマンのような女性なのでしょうか?
第一、“キャリアウーマンのような女性”とは、一体どのような女性のことを呼ぶのでしょう。
僕の持つイメージで言いますと、
ブランド物のパンツスーツに身を固めている。
背は高くスラッとしている。
感情をあまり表に出さない。
スカーフを巻いている。
と、外見に関しては、まあ、こんな感じでしょうかね。
もう一つオプションで、
インテリっぽい感じのメガネをかけている。 というのも付け足そうかな
…
次に、全体像のイメージですが、
動きに無駄がない。
話の内容が理路整然としている。
すご~く几帳面そう。 …ん?
自分の意見をしっかり持っている感じ。
と、このように思い浮かんできます。
(これはあくまで、僕が抱いている“キャリアウーマン”のイメージですので
)
ですから、もし初対面で、この
~
までの項目に数多く当てはまる女性には、僕は、“キャリアウーマン”という第一印象を持ってしまうわけです。
そうなると、その女性に対しては、やはり、身構えて接することになりますよね。たとえば僕が話したことについて、「それって、○○っていうことではなかったかしら?」とか、「私は、○○については△△だと思います。」って言い返されちゃうんじゃないかって。だったら、あまり近づかないでおこうかな、ということになるわけです。
基本的に男性は、口論はあまり得意ではないし好きでもないと思うので、特に
や
のような女性には、自然と距離をとってしまうんですよね。
ただ、それが、 …それが!それが!それが!ですね。そのことが、実は間違いなのではないか。先入観だけでヒトを判断するのはどこまでも正しいということは、果たして言えないのではないか、と思うきっかけになる出来事があったのです。





それは、今を遡ること10年前、いや8年前、 ん? 11年前? …10年くらい前、僕の勤めていたホテルに、それはそれはたいそう綺麗なひとりの女性がいました。
彼女は、ホテルの社員で、マーケティング部に所属するエリートキャリアウーマン。アルバイト上がりでたいした学歴もない僕からすれば、高嶺の花のような存在でした。彼女は、いつも首から、どこのブランドだかわからないけどいかにも高そうなスカーフを垂らし、これまたどこかのブランドのパンツスーツに身を固め、普段はコンタクトレンズだけれども時々かけているいかにもインテリっぽいメガネがこれまたバッチリ決まってしまう正真正銘のキャリアウーマンなのです。
そんな彼女と僕は、度々仕事を共にする機会がありました。共にするといっても、おそらく彼女の方からすれば、僕のことは、たくさんいるお花屋さんのスタッフのひとりにしか過ぎず、おそらく名前など憶えてくれていることはなかったでしょう。僕と彼女のあいだには、地位や外見の身なりや育ってきた環境の違いからくる、トルコのイスタンブールで有名な、洋の東西を分断するボスポラス海峡をアジア側からヨーロッパ側に望むくらい、大きな隔たりがあったのです。
そのようなありさまですから、彼女と仕事を共にする時は、いつも彼女の方からの一方的なリクエストに、僕の方は懸命に対処する、という図式になります。日常的な会話の一つくらいもする心のゆとりなんてありません。ある時などは、打合せをするため、お互いが、それぞれ傍にあったキャスター付きのイスに腰掛けようとしたところ、僕は誤ってそのイスを軽く蹴飛ばしてしまったらしく、でもそれに気付かぬまま腰を下ろしたため、思いっ切りズッコケてしまいました。あの時の彼女の何もなかったかのようにしようとする、また、「なにをよりによって今この場で、私の前でわざわざ転ばなければいけないの。私にこの状況を一体どう振舞えっていうの。」といった屈辱的な空気を、僕は一生涯忘れることはないでしょう。
…と、それくらいぎこちのない間柄であった僕と彼女のあいだに、あるとき一つの、僕にとっては、それこそ大きな事件と呼べ得る、ひとつの出来事が起ころうとしていたのです。
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つづく
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